![]() ツジムラの飯でツジメシです。オリジナルを中心に、手の込んだパーティ料理から手抜き日常食までレシピ図解しています。リンク歓迎、ご意見ご感想頂けると大変喜びます。 本業サイトへはこの下から。@tsujimeshi by ツジメシ Calendar
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名企画「10分ラーメン選手権」などを企画、記事化している玉置さんから「カレーラーメンをプレゼンする会」をやるよ、というお誘いがありました。 10分ラーメン選手権およびそこで出したラーメンについての当ブログの記事はこちら なんと会場は、東京の南インド料理好きなら知らぬ者はいないであろう「ケララの風II」。個人的には数年前自分的第二次カレーブームが始まりインド料理に目覚め、ベジミールス(南インドの菜食定食)を初めて食べた、思い入れありまくりながらその後あまり行けていないお店でもあります。沼尻シェフ自らもカレーラーメンを作るということでさらに盛り上がります。 玉置さん曰く「それにしてもこの会、老舗の寿司屋で店主を巻き込んで、『俺の考えたカリフォルニアロールを食べる会』を開くみたいな話で、大変恐縮なんでございます。」 いやもう、まったくその通りなのででございます。 こういう面白い企画にお声がかかるのはとてもありがたいことです。がんばるぞ。 (この会の様子がデイリーポータルZの記事になりました。下のほうにリンクを置いてます。) カレーラーメンってなんだ? 例えばよく知らない人に「私、カレー好きなんです」などと言われた場合、その「カレー」が何を指しているのか、カレー者ならばその意味するところを計りかね戸惑った経験がきっとあることでしょう。「インド亜大陸方面の諸外国料理」なのか、流行りの「スパイスカレー」なのか、はたまた「ココイチ最高」なのか、ひょっとしたら「C&C(※)以外はカレーとは認めない」という原理主義の可能性も否めません。 食べ専なのか自作派なのか。自作派にしても市販ルーに独自謎隠し味探求派や、あるいは「カレーはスパイスから調合してます」と聞くと「スパイスを調合?へぇ、すごいですね……」と薄眼になる派など、言外にうずまく様々な流派が存在するまさに魔窟なのであります。 (※東京の私鉄、京王グループが経営する駅併設カレースタンド) ラーメンもまた然り。横浜南京町(現中華街)に端を発し浅草来々軒が広めた支那そばが昭和の蕎麦屋に出会いそこで生まれた東京ラーメン(詳しくは「お好み焼きの戦前史」参照)。全国に広まりながら数十年にわたりバリエーションを増やし続けた結果、現在では「ラーメンにセオリーはない」とまで言われ群雄割拠玉石混交魑魅魍魎なんでもありのバーリトゥード。 「僕、家でラーメン作るんです」の意味するところも計り知れなくて、市販スープに市販麺を合わせるライト派から、キロで買う骨にキロで買う肉で数時間かけてスープと焼豚を作り、25キロ単位でしか買えない業務用小麦粉の銘柄を使い分けニーダー(生地に水を混ぜるだけの機械)やら製麺機で日常的に麺を打つ猛者までいるわけです。 そんなカレーとラーメンを組み合わせたカレーラーメン。 AもBも定義しきれない果てしなさなのに、A×Bにこれという答えがあるはずもありません。 ちなみに現在の飲食市場における「カレーラーメン」は、 a カレーもラーメンも出す街の中華屋さん蕎麦屋さん定食屋さんで、メニューにあるラーメンにメニューにあるカレールーをかけたもの。 b aから派生し地方で定着しているもの(三条市など) c 海外の郷土料理としてのスパイシーな麺料理を日本で売るため便宜的に「カレーラーメン」と言い換えているもの。 (タイのカオソーイ、ネパールのトゥクパなど) d 現地にはないが、海外の郷土料理をラーメンとしてアレンジしているもの。 (ティーヌンの「トムヤンクンラーメン」など) e ラーメン店のオリジナル という感じでしょうか。 eは「スパイスラーメン」と称している場合もあり(東京では下北沢「スパイスラーメン点と線」、西葛西「卍力」など)、「カレーラーメン」との線引きが難しいところです。 スパイスラーメンといえば、同じく玉置さん企画の「趣味の製麺『IRON・SEIMEN』フェスティバル」用に考えた「スパイス山羊肉麺」もスパイスラーメン。実はこれ、南アジアのオーソドッククスなカレーの作り方を踏襲しています。でもこれはいわゆるカレーぽくないので(そこを狙って作ってるわけですが)「カレーラーメン」とは言いにくい。 カレー粉を使えばとりあえずカレー的にはなるのでラーメン店がカレーラーメンを出すことはあっても、麺を扱うのは手間も設備も必要なためかカレー店がカレーラーメンを出す事例はあまりないようです。 さて、どうしたものか。 それはもうなんでもありなんでしょうが、やはり意味が欲しい。 インド料理でもライスが合うもの、ロティやチャパティなどのパン類が合うとされるものがあるけれど、地域の習慣や伝統を超えて物理的味的な相性は存在するのか。 だとすればライスより麺、それも中華麺が合う「カレー」の要素とは。 カレーうどんは一般化しているのにカレーラーメンが普及しないのはなぜなのか。 調べ、考えるほどにわかりません。 開催日が迫る中、方針が決まらないので試作もできず焦る日々。
思わずカレースターに質問してしまった そんな中、ふと「メンマをアチャール(インドのスパイスオイル漬け)にする」というアイデアが浮かび、そこから、 「カレーラーメンとは、カレーの味のするラーメンのことではないか?」 と思うに至り(頭悪そうですが本気です)、 さらに 「カレーを構成する要素を分解してラーメンのパーツとして再構築する」 つまり、 「見た目はラーメン、食べたらカレー」 というコンセプトができたのでした。 本番までになんとか2回試作。
この後トマト成分はドライトマトを煮て仕上げに生トマトを軽く煮て濾すやりかたに、豚は煮ると香りが弱かったので粗挽きスパイスをまぶした低温ローストに、アチャールの酸味は黒酢に変更。試作2回目がいちばん上の写真です。 見た目はラーメン、食べたらカレー 「カレーらしさ」を構成する要素、玉ねぎ、ニンニク、生姜、トマト、スパイス、油脂を、ラーメンのパーツ、今回はスープ、焼豚、メンマ、煮卵、香味油、薬味、に分配・配置しました。麺にもなにかしらやりたいところでしたが今回は自粛。主張は弱いけどカレーらしさのベースとなるコリアンダーパウダーは、各パーツのまとめ役として全体に使いました。 ●スープ: 鶏ガラをベースに、スープを赤くしないドライトマト、玉ねぎは先に生で入れて甘みを出しつつ蓋はせず鶏臭さを飛ばし、後半フライドオニオン、スパイスを追加して蓋をして香りを閉じ込めました。味付けは塩のみ、ドライトマトの色がうっすら出て見た目はオーソドックス醤油ラーメンのような色合いに。 ●焼豚 肉カレーによく使われる、シナモン、クローブ、カルダモン、黒胡椒、ベイリーフを粉砕したもの、ニンニク生姜おろし、塩をまぶし1日置いた豚肩ロースを、低温のオーブンで120度から温度を落としながらこの日は計6時間加熱。肉カレーのようなカレーじゃないような、くらいの香りに。 ほぼこれです。 ●メンマ アチャール風に、マスタードシードシード、フェヌグリークシード、コリアンダーパウダー、カイエンペッパー、ターメリックで香り付け。ラーメンにも違和感のない黒酢で酸味付。 ●煮玉子 塩とシナモン、八角、ネパール山椒、コリアンダーパウダーを煮出した汁に半熟ゆで玉子を2日浸して味付け。 単体ではやや中華寄りの香り。 ●香味油 フライドオニオン、ニンニク生姜、赤唐辛子、クミンシードの香りを出したオイルを仕上げに。スープには脂が少ないのでこちらで多めに。 (のはずが現場で失敗、油とクミンだけに…) ●薬味 香菜、刻み生姜、青唐辛子の小口切りというインドカレーのトッピングによくあるもの。いかにもパクチーが乗っている、にならないよう細かめに刻む。 そもそも、食べ進めるるうちに丼と口の中で味が混じり合い「あれ?カレー?」となる、というネタなので、取り分けて少量を味見するスタイルでは真価を発揮しにくかったかもしれません。(そもそも論) 食べていただいたたみなさま、ちゃんとカレー味になっていたでしょうか? (当日バージョンはパーツしか味見してないので全体像がわからないのです) 今にして思えばもっとやりようがあった気もします。でも、とても楽しいイベントでした。 最終的に本番で作ったもの、玉置さん沼尻シェフほか参加者のみなさんが作った様々なカレーラーメン、会の様子はデイリーポータルの力作記事をどうぞ。 そしてやる人いないと思いますがこの続きにざっくりレシピも。 ●スープ 鶏ガラ ドライトマト 玉ねぎ ニンニク 赤唐辛子 生姜 トマト ベイリーフ コリアンダーパウダー 鍋に、表面が白くなるまで茹でて冷水で洗った鶏ガラ、ドライトマト、玉ねぎのざく切り、ニンニク、赤唐辛子、ひたひたの水を入れて沸いたらアクを取り、沸騰直前の温度(95度)で蓋をせず2時間加熱する(鶏臭さを飛ばす)。 フライパンに油、玉ねぎのみじん切りを入れて焼き付けるように炒め、ニンニク生姜のみじん切りも香ばしく炒めコリアンダーパウダーを入れて一混ぜし鍋に加える。ベイリーフ、生トマトのざく切りも加え、沸騰したらアクを取り蓋をして(香りを閉じ込める)さらに1時間ほど95度で加熱し、そっとザル漉しし、塩で調整。 ●焼豚 豚肩ロース塊 塩 ニンニク生姜おろし クローブ シナモン カルダモン 黒胡椒 ベイリーフ 豚肩ロースは重量の1%の塩をまぶし、スパイス類を軽くから煎りして粉砕したもの、おろしニンニク生姜をまぶしてラップし冷蔵庫で1日置く。オーブンの天板にオーブンシート、金網を置き肉を皮を上にして乗せ、120度で2時間、(途中焦げそうなら上下を返す)100度に下げて2時間加熱する。時間があればさらに1-2時間加熱(可能なら設定温度を80-90度に)するとさらに筋部分もやわらかくなる。脂が下に落ちるのでキッチンペーパーを折ったものを金網の下に挟んでおくとよい。この日は都合6時間加熱した。 ●メンマアチャール 塩蔵メンマ メティ(フェヌグリーク) マスタードシード おろしニンニク カイエンペッパー ターメリック コリアンダーパウダー 塩 黒酢 塩蔵メンマは何度か水を替えながら洗い、水から30分ほど柔らかく茹でる。フライパンに油、メティ(少量)、マスタードシードを入れて中火にかけ、メティが色づきマスタードシードが弾けるまで混ぜながら加熱する。水を切ったメンマ、おろしニンニクを入れて炒め合わせ、カイエンペッパー、ターメリック、コリアンダーパウダー、塩を加える。全体のバランスから、ターメリックとコリアンダーパウダーは効かせめで。黒酢を加え、ひと混ぜして火を止める。 ●スパイス煮玉子 玉子 シナモン 八角 砂糖 塩 ティムール(ネパール山椒、花椒でも) ターメリック コリアンダーパウダー 赤唐辛子 水に調味料、スパイスを入れて煮立て、やわらかめに茹でた玉子を入れて2日冷蔵保存する。 ●クミン香味油 多めの油にみじん切りの玉ねぎを入れて中火で香ばしく焼き付け、ニンニク生姜青唐辛子のみじん切り、クミンシードを入れて香りを出す。(のはずが、本番では焦がしてしまい、時間も控え材料もなかったためクミンと油だけの香味油となった) ●仕上げ 手鍋で温め塩で味を調整したスープをどんぶりに張る。茹でた麺を入れてほぐし、薄切りにした焼き豚、煮玉子、メンマ、薬味を乗せ、香味油を多めにかける。
by tsujimeshi
| 2018-10-08 11:29
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